第11号 外側と内側の原理
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■ 1.外側の原理と内側の原理
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前回は目に見えるものと見えないもの。
それぞれを把握する感覚が違っているっていうことをお話ししました。
左脳と右脳。
肉眼と第三の目。
考えることと瞑想(沈黙)
左脳と肉眼と考えることはこの目に見える現実の世界においては
とても有益なものであり、これがなければ困ります。
しかし、目に見えない世界では、これらが実はじゃまになったりするんです。
つまり、目に見えない世界、内側の世界は、外側の世界とは逆の原理が作用し
ているらしいのです。
例えば、地球は平らだって思っていたら、実は丸かった。
太陽が地球をまわるって思っていたら、実は地球が太陽を回っていた。
時間と空間は絶対だと思っていたら、相対的なものだった。
というふうに実際に目で見て思っている世界とは全く逆のことが、
この目に見える世界の原理にもあるわけで、
目に見える世界と見えない世界が全く逆の原理が作用していても
おかしくはないですよね。
このことがわからないと、いろんなことを考えるときに混乱してしまいます。
しかも内側の世界と外側の世界は別々に存在しているのではなく、同時に存在
しています。
ややこしいですよねー。
もうすでに混乱しちゃいましたか?
それは例えていえば、海の底と海の表面、表面的な世界と表面の深みにある世
界、というふうにいえるかもしれません。
この世の中の目に見える世界、現実の世界というのは表面的な物事の世界なん
ですね。
表面的な目に見える世界では、
例えば海面上から見れば、陸とか島が点在しているように見えるわけですが、
実は目に見えない海の底では、すべての陸も島も繋がっていますよね。
海の表面ではさまざまな別々の波の形があるように見えますが、
実は海の底では一つのブルーの静かな海があるだけなのですね。
私たちはそれぞれの個人が別々に存在していると思っていますが、
実は意識の深いところではみんなが繋がっているのです。
色の言語でお話しすると、
イエローの個人の意識ではそれぞれが別々に存在しているというふうに思えま
すが、ブルーの大いなる意識の中ではすべてが一つに繋がっているのです。
イエローの個人の意識というものはこの現実の世界ではとても大切なものです。
とりわけ、この資本主義の現実の世界ではイエローは有益です。
大いに考え、知性を磨き、競争し、自己のパワーを発揮したものが勝利を収め
ます。
でもそれで本当の幸せが得られるでしょうか?
イエローは、幸福の黄色いハンカチという映画のタイトルにもあるように
ハッピーではあるんですが、それは表面的な個人の意識の面でのハッピーなん
です。
つまり、表面的な目に見える世界では相手をうち負かして、ハッピーでも
その深いところでは相手ともブルーの意識で繋がっているわけなのですから、
競争で負かした相手も、実は自分でもあるわけなんですね。
ちょっと話がそれましたが、目に見える世界では「考える」ことが有益であり、
物事を行動として表現し、説得したり、議論したり、なんとか解決しようとし
ます。
努力が大切であり、ガッツ、ハングリー精神が大切とか言われたりします。
何とか自分を改善し、よく振るまい、よりよくしようとします。
しかし目に見えない世界では、瞑想、ノーマインド(無思考)、沈黙、無。
そしてものごとをあるがままに受け入れる、そのままにしておく。
物事を変えようとしない。無努力、タオ、流れのままに、満ち足りてあること。
あなたはそのままで完璧であり、あるがままでいい、っていいます。
しかしそんなことをしていたら、世間ではものぐさ太郎であり、
なまけものであり、役立たずになってしまうって思いますよね。
ブッダは、悟りを得たときには、山川草木悉皆成仏、
存在するあらゆるもの仏だ、って言いました。
つまり瞑想し、悟りを得、人間の本質に達した目から見れば、
この世のすべては悟っているわけですね。
そういう悟りを得た人があなたを見れば、あなたの中にある仏を見ているので
す。
あなたは神だ、ていういい方もありますね。
これってどういうことなんでしょう?
あなたの存在の奥深いところでは、あなたには仏性があり神聖なのですが、
あなたはそれを忘れてしまっているだけなんですね。
悟りを得た人、マスターは、そのことをあなたに
思い出さしてくれる存在なわけです。
あなたは両方なのです。
表面的な外側もあれば、より深い内面的な側面も持っているのです。
ただ表面ばかりを見て、本質を忘れているだけ。
そして表面の世界は内なる深い側面が現れてくる世界でもあるんですね。
単純な例が、無意識にあるものが表面の行動となって現れるとか。
心理学ではネズミの行動を観察して行動心理学を提唱したスキナー、
犬の条件反射を研究したパブロフの実験などにより得た原理から、
人間の態度や行動をなんとか訓練して変えようとします。
人間も犬やネズミと同じ動物的側面があるということからすれば、
そういう学習理論も一理あるのでしょうが、
表面の行動だけを社会に適応させようとしても、
本質についての理解がなければ、
それは単に本来の欲求を抑圧して無意識のなかに押し込めるだけです。
どんなに努力して、訓練して表面の態度や行動を改めても、
結局はその無意識に抑圧されたものはどこかで爆発したり
違った形で現れてしまうわけなんですね。
しかしその無意識の中に意識の光をもたらして
ひとたび行動の奥深くの原因を理解すれば、
何の努力も抑圧もなく、ひとりでにすべてが治まるのです。
瞑想はその究極のものですね。
イエローは自己が存在と分離したものとして自己を認識しているときには
死の「恐怖」(イエロー)があり、混乱があるわけです。
死によっては奪われない何かをあなたが見いだすまでは
その恐怖は消えてなくなることはありません。
死はあなたの目に見えるものすべてを奪ってしまうわけなのですから。
あなたが知性(イエロー)を使い、あなたの探すものは内側にあると
気づいたとき、そこに真の自己を認識し、イエローは光明に変わります。
そこで真の自己知を得るわけですね。
その時には何の努力もなく、恐怖は消えてしまうのです。
あなたはすでに求めているものを内側に持っていたことに気づくのです。
オーラソーマは、あなたは意識であり、光の身体であり、魂である、
と認識します。
オーラソーマはあなたの魂を映しだす鏡なのです。
オーラソーマに映しだされる色を通して、
あなたは真の自己に出会っていくわけですね。
あなたは外側の色を見ながら、あなたの目は内側に向かっていくのです。
もう少しオーラソーマについて知りたい方は、
次にお進みください。