第375号 オーラソーマで読み解く『ニューアース』
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■ 1.巻頭エッセイ:オーラソーマで読み解く「ニューアース」
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オーラソーマで『ニューアース』(エックハルト・トール著)を読
み解く。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4763198726/oshoartunity-22/ref=nosim
「意識の鍵」であるオーラソーマを読み解くヒントとして、シリー
ズでお送りしています。
あるいは「ニューアース」でオーラソーマを読み解く、とも言える
かもしれませんが、「意識の鍵」を手にするヒントとしていただけ
ればと思います。
今回は、第5章「ペインボディ──私たちが引きずる過去の古い痛
み」についてです。
(オーラソーマ総合情報サイト ブログの「読書案内」のカテゴリ
ーで、過去の記事を読むことができます。
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/theme-10017723052.html )
これまでの章で、エックハルト・トールはエゴとは何かということ
について解説してきています。
「エゴという間違った自己のメカニズム」(2章)、「エゴを乗り
越えるために理解すべきこと」(3章)、「エゴはさまざまな顔で
いつの間にか私たちのそばにいる」(4章)。
そして、第5章はペインボディについてです。
なぜエックハルトが、これまでエゴについてこのように詳しく述べ
ているかというと、エゴが私たちを不幸にしている原因だからです。
私たちが安らかな気持ちでいられない、自分らしくいられないのは
どうしてか?
それは、エゴが作りだした物語に私たちが巻き込まれているからで、
それらのエゴを抜けだせば、幸せはそこにあるのだ、と彼は言いま
す。
自分のエゴがこの地上に地獄を作りだしていて、自分ではそれとは
知らずに苦しみを作りだしている。
それが無意識な生き方であって、そのエゴに気づくことで、今ここ
にある幸せに気づくことができるのです。
生きる秘訣、すべての成功と幸福の秘訣は、次の言葉で要約できる、
と彼は言います。
「生命とひとつになること」
「生命とひとつになることは、今というときとひとつになることだ。
そのときあなたは、自分が命を生きているのではなく、生命があな
たを生きているのだと気づく。
生命が踊り手で、あなたが舞踊なのだ」
さて、そこで今回のペインボディについてです。
このペインボディについては、ラハシャの「ハートからのカウンセ
リングスキル」でも学ぶことです。
いかに自分自身の、そしてクライアントのペインボディを理解し、
それに対処して、解消していくかということはカウンセリングにと
っても大切な要素ですし、オーラソーマを学ぶ上でもこの理解は大
きな助けになります。
このペインボディについて理解することで、不幸の原因、源がよく
わかります。
なぜなら、このペインボディこそが不幸を作りだしている源でもあ
るからです。
しかも、そのペインボディの食べ物はまさにその不幸なので、自分
のペインボディに無意識でいることは、不幸を求めて生きているこ
とにもなってしまいます。
では、ペインボディとは何なのか?
ペインボディとは、ほとんどすべての人が持っている古くからの感
情的な苦痛の集積、ネガティブな感情のエネルギー場のことを言い
ます。
ネガティブな感情というのは、身体に有害で、バランスのとれた安
定した機能を邪魔する感情のことをいい、恐怖、不安、怒り、悪意、
悲しみ、憎しみ、憎悪、嫉妬、羨望などのことです。
それらは身体を流れるエネルギーをかく乱し、心臓や免疫システム、
消化、ホルモン生成などを妨げます。
そして、これらは当人だけではなく出会う人びとに伝染し、連鎖反
応を通じて無数の人びとに影響します。
父親が会社でいやなことがあった日に、それを家に帰って妻にやつ
あたりし、その妻である母親は子供にやつあたりし、子供はそばに
いた猫を蹴飛ばす、というような連鎖です。
それらのネガティブな感情をひっくるめて「不幸」というのだと、
エックハルトは定義しています。
それなら、幸福になるにはポジティブな感情になればいいのではな
いかということで、ポジティブシンキング、というのが流行ってい
たりします。
しかし、エゴが生み出すポジティブな感情と、「大いなる存在」と
つながった本来の状態から生じるもっと深い感情とは区別しなけれ
ばならない、とエックハルトは警告しています。
つまり、エゴが生みだすポジティブな感情の中には、すでに反対物
が含まれているので、エゴの期待通りにならないと、瞬時にその反
対物に変化するからです。
例えば、エゴが愛と呼ぶものには独占欲や依存的な執着が含まれて
いるので、相手が期待通りにならないと、あっというまに愛は独占
欲や依存となって姿を現し、そこからいろいろと面倒なことが起こ
ります。
では、その不幸の原因となるペインボディを作らないようにするに
はどうすればよいのでしょうか?
オーラソーマの解決策はあとに書くとして、ここではまずエックハ
ルトの解決策を説明します。
エックハルトによると、理論的には、ネガティブな感情が湧いたと
きには、きちんと向き合ってその正体を確認し、その感情を解消し
て、あとに痛みが残らないようにしておく、ということになります。
「理論的には」・・・というのは実際には非常に難しく、とくに子
供は(子供に限りませんが)ネガティブな感情があまりに強いと、
どうすることもできなくて、それを感じないようにする傾向があり
ます。
そして、その子供の頃の防御メカニズムは、そのまま成人後もひき
ずることになります。
そのようにきちんと向き合い、受け入れ、そして手放すという作業
がなされなかったネガティブな感情は痛みとなり、その痛みが積み
重なり、身体の全細胞で活動するエネルギー場になります。
そこでペインボディが形成されるわけです。
このペインボディを形成するのは子供時代の痛みだけではなく、思
春期や成人後のつらい感情も付加されていきます。
その大半はエゴの声、マインドセットによって作りだされます。
しかも、このペインボディというのは、単に個人の人生で形成され
るだけではなく、非個人的な性格をも持ち合わせているというのだ
から、ペインボディというのは奥深いものがあります。
つまり、これまでの人類の歴史のなかで行われてきた部族闘争や奴
隷制、略奪、強姦、その他の暴力に彩られた人類の歴史を通じて、
数え切れない人びとが体験してきた痛みもそこには含まれていると
いうのです。
ですからある意味、この世に生まれる新生児はみな、すでに感情的
なペインボディを持っている、ということになってしまいます。
ところがここで面白いのは、「どちらかといえば重いペインボディ
をもった人たちの方が、ペインボディが軽い人たちよりも霊的(ス
ピリチュアル)な目覚めに達する可能性が大きい」とエックハルト
は言っていることです。
つまり、そういうペインボディの重い人たちの多くは、自分の不幸
にもう耐えられないという段階に達し、それが目覚めの強い動機に
なる、というのです。
「なぜ苦しむキリストが、苦悶に歪む顔と無数の傷口から地が吹き
でている身体が、人類の集団的な意識にとって、かくも重要なイメ
ージとなっているのか? (とくに中世に)おびただしい人びとが
キリストのイメージに深く動かされたのは、自分自身の中に共鳴す
る何かがあったからで、彼らは無意識の中にキリストに自分自身の
内なる現実──ペインボディ──の表現を見ていたのだろう。(中
略)
キリストは人間の原型であり、人間の苦痛と苦痛の超越の可能性を
体現していることができる」
まさに、オーラソーマのレッドが「目覚めのエネルギー」とされる
理由がここにありますね。
それはともかく、ペインボディが怖いのはここからです。
それはペインボディには、地球に引力があるように、引き寄せの法
則が働くのです。
つまり、ペインボディの食べ物は自分と同種のエネルギー、それと
同じ周波数で振動しているエネルギーなのです。
具体的には、感情的につらい体験はなんでもペインボディの食物な
のです。
ペインボディは、ネガティブな思考や感情、人間関係の波乱やトラ
ブルによって太っていきます。
ペインボディは不幸依存症で、一度不幸に支配されると、あなたは
不幸を終わらせたくないと思うばかりではなく、周りの人間も同じ
ように惨めにして、それらの人たちのネガティブな感情的な反応を
その食べ物にして吸収していくというのだから怖いですよね。
そして、そのペインボディ、ネガティブな感情や不幸を求める何者
かは、あなたがそれに気づかないかぎり、すでに内側に住んでいる
というのです。
そのことに気づかないとどういうことが起こるかというと、よく見
られるのが酔っぱらいです。
お酒を飲み過ぎて暴れる。
それはペインボディに乗っ取られて性格が激変するからです。
そして妻や子供に暴力をふるったりする。
酔いが醒めて後悔して、二度と暴力を振るわないと誓うけれども、
後悔してそう誓う本人と暴力をふるうペインボディとは別人格なの
で効果がありません。
そのペインボディに気づかないかぎり、同じことが繰り返されます。
あるいはまた「恋に落ちた」とします。
でも、実はそれは補完的な相手のペインボディに引かれ合っただけ
かもしれないのです。
ペインボディは賢くて、結婚の誓いをするまでは身を潜めています。
でもエックハルト曰く、「あなたは夫や妻とだけ結婚するのではな
く、相手のペインボディを──相手もあなたのペインボディを──
含めて結婚する」というのです。
一緒に暮らしはじめて、あるいは新婚旅行から戻ってまもなく、パ
ートナーの人格が完全に変化したことに気づいたらショックですよ
ね。
そのときは二人だけではなく、そこには二人のペインボディも一緒
に同居していると覚悟するしかありません。
「配偶者、パートナーを通してペインボディがしゃべっている。
彼女(彼)の語る現実はペインボディ版のそれで、その現実は恐怖
と敵意と怒りと、もっと苦しめたい、あるいは苦しみたいという欲
望に完全にゆがめられている」・・・なんてホラー映画みたいです。
そんな怖い話が、この第5章にはちりばめられていますが、ペイン
ボディの正体を知ることで、自分の不幸の正体も知ることができま
す。
そうすると、そこにはまた希望の光も見えてくるものです。
なぜなら、原因が分かればその対処も分かるからです。
そしてまた、そこでオーラソーマがそのペインボディ退治にも役に
たつということもわかってくるでしょう。
その鍵は、ペインボディは「エネルギーの場」だという言葉にあり
ます。
エックハルトが言っている解決法も、オーラソーマで言っているこ
とも、ある意味同じなのです。
それはオーラソーマの根本原理でもある瞑想であり、気づきを高め
ることであり、今ここにあること、なのです。
それが、オーラソーマでいう「意識の鍵」でもあります。
でも、オーラソーマはそんな難しいことを知らなくても役立つ補助
ツールを用意してくれています。
イクイリブリアムボトル、そしてポマンダー、クイントエッセンス
についてもいえることですが、それらは「オーラを活性化し、魂を
ケアする」エネルギーを含んでいるということです。
オーラソーマでは、感情的なショックにはオレンジをつけますね。
これは感情的にバランスの崩れたエネルギーにバランスを取り戻し
ます。
感じなくなって、しこりとなってしまっているエネルギーの場(ペ
インボディ)に正常なバランスを取り戻すことを助けてくれます。
ペインボディというのは、エネルギー的に見れば、ネガティブな感
情がしこりとなっているエネルギーの場であり、そのエネルギーの
場のバランスが崩れている状態だということができます。
(このあたりの詳しい解説は、「サトルボディヒーリング」をご参
照ください。
https://unityinstitute.jp/mail/order_book1.cgi)
レッドのエネルギーのバランスが崩れた状態が怒りだとすると、バ
ランスのとれたエネルギーが情熱であり、目覚めのエネルギーです。
怒りがあるということは、そこに情熱がある、ということでもあり
ます。目覚めのチャンスでもあるのです。
チャクラセットは、それぞれのチャクラのエネルギーのバランスを
取り戻してくれますし、コンサルテーションで自分の選んだ2番目
のボトルは、往々にしてその人のペインボディに働きかけて、エネ
ルギーのバランスを取り戻してくれるように作用します。
ということで、セラピューティックボトルとも呼ばれています。
自分のペインボディ、あるいはクライアントのペインボディがどの
ようなものなのか、そのエネルギーを読むことができれば、どのよ
うにオーラソーマを使っていけばよいのかもわかります。
エックハルトは、この章の最後に書いています。
「この地上での悪行の犯人はたったひとりしかない。
人類の無意識だ。
そこに気づくことこそが真の許しである。
許しによって被害者というアイデンティティは消え、真の力が生ま
れる。
「今に在る」という力だ。
闇を非難するよりも、光をもたらすべきなのだ」
オーラソーマは、まさしくその意識の光をもたらすツールなのです。
尚 記
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