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巻頭エッセイ


第388号 鮎沢玲子さん(1)「日本の色」:月白

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■ 1.巻頭エッセイ:鮎沢玲子さんの「日本の色」Vol.1
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今回は「オーラソーマ通信」に新しい筆者に登場いただきます。

オーラソーマティーチャーの鮎沢玲子さんです。

私は、常々オーラソーマをどのように日本のものにしていけるのだ
ろうかということを考えています。

カラーダイアリーもその試みのひとつです。

日常生活でオーラソーマになじむことの中から、なにか日本独自の
ものが生まれてくるのではないかと考えています。
http://d.aura-soma.co.jp/

オーラソーマを学んだ方はお気づきでしょうけれども、オーラソー
マの色の言語や教えなどは、ヨーロッパの伝統や考え方に基づいて
いることが多々あります。

しかし、日本という国は、世界でも古い文化を持った歴史のある国
であり、これまでにも日本に輸入されたものは日本独自に咀嚼して、
独自の文化に仕上げています。

例えば日本の和食は世界で最も美味しく、その中に日本の文化が凝
縮されていると思うのですが、今や世界でも健康食としても取り入
れられ、寿司などは世界に輸出され寿司職人が足りないというニュ
ースも流れていました。

イタリアンレストランにしろフランスのレストランにしろ、日本の
独自の味のセンスが加わり、日本が一番美味しいレストラン、とま
で言われています。

それには、すでにフランスやイタリアに負けない日本食文化があっ
たからです。

現にレストランのミシュランガイドでも、★のついたレストランは
フランスを遙かに凌駕しています。

江戸時代の鎖国後、黒船に驚いた日本が、西洋に追いつけ追い越せ
で経済的にはジャパン・アズ・ナンバーワンにまでのし上がったあ
と、目的を失い迷走していますが、本来は迷走ではなく瞑想すべき
だったのです。禅の国としては。

そこまで日本が経済的に急速に世界に追いつき、トップの座にまで
上り詰めたのにはわけがあります。

それは鎖国の江戸時代において、すでに世界に負けないだけの独自
の文化を発達させており、数学などにおいても関孝和の和算に代表
されるように、ヨーロッパに負けないだけの数学や科学も発達させ
ていたからです。

庶民の識字率も高く、戦国時代の鉄砲保有率などでも世界一だった
そうです。

つまり、すでにさまざまな側面で、日本は高い文化を発達させてお
り、世界の文化を吸収し独自のものにする素養がすでに備わってい
るのです。

これからは日本の文化を世界に輸出する時代に来ているのと思うの
ですが、このオーラソーマの色についても同じことがいえるのでは
ないかと考えています。

色彩に対する日本人のセンス、日本の文化は西洋を凌駕するものを
持っていますし、精神文化も世界のトップのものを持っています。

それは、今回の東日本大地震の際の日本人の行動が世界に絶賛され、
実証されたことからもわかります。

日本の社会に、お互いを思いやる文化が根づいているからこそでき
ることです。

オーラソーマも、これまではイギリスやヨーロッパの文化の輸入で
はありましたが、これからは日本独自の文化とセンスを付け加える
とともに、世界にも還元できるものになればと思うのです。

そこで、鮎沢玲子さんの登場なのですが、鮎沢さんは代々染物屋を
営む家の長女に生まれ、日本の色についての文化を肌で感じる家庭
に育ってきておられ、日本の色ということを語っていただくにふさ
わしい方だと思い、このオーラソーマのメルマガでもそのことを書
いていただくようお願いをしました。

すでに、リヴィングエナジー7号を読まれた方にとっては繰り返し
になりますが、日本の色について「千を越える色の名前を有する日
本という国」というテーマで以下のように書いておられます。

「一斤染、退紅、朱鷺色、桃染、撫子色、東雲色・・・これらはす
べて、「ピンク」を表す日本の色名。ひとくちに「ピンク」といっ
ても、さまざまな名前とその由来があります。

日本は世界でも有数の、色名の多さを誇る「色彩大国」です。
ある調査によれば、日本には千以上の色名が存在し、それは世界で
も稀なことだそうです。

色の名前の多さは、日本の絵画芸術はもとより染色・織物などの服
飾文化、工芸、文学作品やさまざまな文化における成熟度と関係が
深いと言えるでしょう。

それはいにしえの日本人にとどまらず、近年の日本のアニメーショ
ンを見ても、色づかいの見事さには感心するばかりです。

色彩に対する感性の豊かさ、繊細な色を見極める目を、私たち日本
人は今も昔も持っているのです。

今日の日本におけるオーラソーマカラーケアシステムの普及、浸透
の理由として、日本人の豊かな色彩感覚がひとつの要因になってい
るのではないかと思います。

イクイリブリアムボトルの色彩の美しさに魅せられ、奥深いオーラ
ソーマの世界に足を踏み入れた私もそのひとりです。

ところで、私自身のことを少しお話ししますと、私は代々染物屋を
営む家の長女に生まれました。

家族の会話には日本の色名がたびたび登場し、子どもの頃の遊び道
具は染物の色見本帳。いらなくなった見本帳をもらっては、たくさ
んの色を眺めて遊んでいました。

そんな私がオーラソーマと出会って“こんなに美しい色を毎日見て
過ごしたい”と思うのはごく当然のことでした」

リヴィングエナジー7号より  
http://artbeing.com/cd_book/aurasoma1/LE07.html

それでは、鮎沢玲子さんの「日本の色」、お楽しみください。

                           尚 記


       ………○…………○…………○………


今回から、オーラソーマ通信に記事を書かせていただくことになり
ましたオーラソーマ・ティーチャーの鮎沢玲子です。

テーマは「日本の色」。

日本には古来より1000色を超える色の名前が存在していました。

私たちの国は世界でも有数の「色彩大国」なのです。

そんな豊かな日本の色名をご紹介するとともに、オーラソーマの観
点から色の魅力、楽しさをお伝えできればと思っています。

さて、1回目の色は、【月白】げっぱく。

日本の色の中には、白を表現するさまざまな色名があります。純白、
乳白色、真珠色、銀白色、卯の花色、胡粉(ごふん)、氷色などで
す。

なかでも、特に文学的でロマンティックに感じる色名に、「月白」
があります。

白い月の光に夜空の青いベールがかかったような、かすかに青みを
おびた白色です。

私たちの祖先は、実際には手に取ることができない月の光にさえも、
このような名前をつけたのです。

外国、特にヨーロッパなど西洋の文化に触れると、その饒舌な色彩
感覚に驚かされます。

近代絵画の世界においても、巨匠ピカソは「色彩には救いがある」
と語りました。

西洋絵画では、色が人間の感情を表現するものであり、表現力を追
求することは、色彩の使い方を磨くことでもあったのです。

一方、東洋での絵画の流れとして、水墨画の世界があります。

墨と白の余白、その二つをつなぐのは、淡い灰色の無限の階調。

ここでの白と墨は、光と闇を表し、また陽と陰のエネルギーを表し
ています。

水墨画は色彩そのものを描かないことで、見る者一人ひとりに自分
の心の色を映しだす自由を与えています。

明るい気持ちの時は明るい色に見え、悲しく沈んだ気分の時には、
悲しく暗い色を思い描くのです。

そのとき水墨画は、心を映す鏡のような役割となります。

これはまさに「禅」の思想に通じるもので、きわめて東洋的です。

ところで、オーラソーマのティーチャーやプラクティショナーには、
白い色の服を着るよう推奨されています。

もちろん私も仕事をするときは、白一色の服装です。

もともと色彩が好きでこの道を選んだのですが、西洋絵画のように
饒舌なカラーのボトルを前に、私自身をニュートラルな状態にして
おくことは大切だと感じます。

カラフルな服を着ない、言わば「色の断食」状態に自分をおくこと
で、私自身、色彩に対する感受性がより磨かれる気がします。


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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール

有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。

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英国オーラソーマアカデミー認定講座 レベル1
日程 2011年12月28~30日/2012年1月4~6日(全6日間)
会場 カラーズガーデン(栃木県宇都宮市)
連絡先TEL&FAX:028-667-8006 
メール:c_garden@sea.ucatv.ne.jp
HP:http://www.c-garden.co.jp/
最新情報ブログ:http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/


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