第457w号 鮎沢さん「日本の色-9」(17):菜の花色
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■ 1.巻頭エッセイ:鮎沢玲子さんの
日本の色で学ぶオーラソーマ Vol.9 ≪イエロー≫ (2012,4/3)
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鎌倉では桜の花がピンクの絨毯となって道を色どり、桜の木はピン
クから緑へと装いを変えつつあります。
和尚アートユニティの玄関に到る花壇には、春先に土のなかからい
くつかの花が咲きます。
3月初めにはクロッカスの黄色い花が咲き、続いて黄色い水仙の花
が咲きました。
そして桜のピンクが続き、今は枯れ枝から緑の葉っぱが日毎に大き
く広がりつつあります。
イエローを見ると、なんとなくハッピーな気持ちになるのはどうし
てでしょう?
スマイルのワッペンは黄色い丸い円のなかに笑顔が書かれています
し、高倉健の黄色いハンカチのラストシーンにたくさんのハンカチ
がはためいてみるのを見ると、幸せの未来を暗示させます。
笑いというと、腹を抱えて笑う、という言葉があるように、ハラと
も関係しています。
オーラソーマでのイエローの色の言語では、幸せ、笑いなど陽気な
イメージがあります。
そしてそのハラの領域、みぞおちの太陽神経叢のあたりは、チャク
ラでいうと第三チャクラで、色はイエローで表されます。
http://aura-soma.jp/basic/dtl_166.html
ちなみにイエローのボトルはこれです。
http://www.aura-soma.co.jp/products/equi/B042.html
第三のチャクラのボトルはこれです。
http://www.aura-soma.co.jp/products/equi/B004.html
これらのイエローを日本の色で見ていくと、どのようになるのでし
ょうか?
それでは、鮎沢玲子さんの日本の色で学ぶオーラソーマ Vol.9
≪イエロー≫ をお楽しみください。
尚 記
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オーラソーマの授業ではまず「色の言語」を学びます。
オーラソーマのシステムはイギリスで生まれたものですが、日本人
ならではの感性で「色の言語」をもっと深く探求できると思います。
そのことから連載中のこのコーナーでは、毎回「カラーローズ」の
なかの1色を取り上げ、日本の色名や文化、歴史、季節感などと関
連付けてご紹介しています。
今回取り上げるのは、プライマリーカラーのひとつである「イエロ
ー」です。
日本の色で言うなら、この季節にふさわしい「菜の花色」を選びま
した。
「菜の花や月は東に日は西に」
与謝蕪村の句ですが、暮れなずむの景色のなかで、最後まで明るい
光を放つように、目の前に広がる菜の花畑が思い浮かびます。
のんびりとした春の夕暮れ時。
一日の終わりに相応しい、平和な風景です。
菜の花色は、ほんの少し緑がかった鮮やかな黄色で、その名が示す
とおり菜の花(菜種の花)の色を指します。
純粋な黄色というよりほんの少し緑が入った色を指すのは、一面に
咲いた菜の花の間から、葉の色の緑が少しのぞく風景から、そうな
ったのかもしれません。
菜種から採れる菜種油は、古くから食用や灯火用に用いられ、日本
人にとって身近な存在でした。
菜種油の色として、緑がかったくすんだ黄色を菜種色(なたねいろ)
または油色(あぶらいろ)と呼び、色名としてはわりに古いもので
す。
菜の花色は、明治以降についた名前だそうで、比較的新しいもので
す。
江戸時代までは、採れる油にしか色名がついていなかったのに、明
治以降には花の名前の色が生まれたというわけです。
もしかしたら江戸時代までは、菜の花は観賞するより、農作物のひ
とつという見方だったのかもしれません。
イエローは、色のなかでは最も目立つ色で、遠くからでも良く見え
ます。
道路工事中の看板や警告の表示など、注意を促したいときにイエロ
ーが使われるのはそのためです。
小学1年生の黄色い帽子や傘、ランドセルに掛ける交通安全用のカ
バーなど、4月の新入学の時期にはよくこの色を目にします。
街のなかでは、一面の菜の花畑など目にすることはめったになくな
りましたが、その代わりに新一年生が身につけた黄色を見ると、春
だなと思うことがあります。
未熟なことを「くちばしが黄色い」と表現したり、「ひよこ」など
と言ったりしますが、これらは若くて発展途上の状態であることを
黄色にたとえた表現です。
4月は、小学一年生と菜の花色のイエローが、自然に結びついてし
まう季節です。
(※こちらで画像付きで掲載をしています。
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-11503931092.html )
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/