第483w号 鮎沢さん「日本の色15」(23):空色
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■ 1.巻頭エッセイ:鮎沢玲子さんの
日本の色で学ぶオーラソーマ Vol.15 ≪ブルー≫ (2013,10/2)
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今回で、鮎沢玲子さんの「日本の色で学ぶオーラソーマ」は最終回
となります。
オーラソーマは、ヴィッキーさんがイギリス生まれだったこともあ
り、コースでの色の学びには、ヨーロッパ、イギリスの文化が色濃
く反映されています。
それを日本独自の色で考えることができないだろうかと思っていた
ところ、「生家は染物屋を営む」鮎沢さんに出会い、このシリーズ
が生まれました。
メルマガで今回のシリーズは最終回になりましたが、今回の連載を
記念して、鮎沢玲子さんの「日本の色で学ぶオーラソーマ」のシェ
アリングデイを、12月15日に鎌倉の和尚アートユニティで企画
をしていますので、興味にある方はぜひご参加ください。
さて、今回のテーマはブルーです。
ブルーは不思議な色です。
人はどこから来て、どこへ行くのか?
ブルーから来て、ブルーに帰る、とも言えるかもしれません。
未知なるスペースであるブルー。
存在そのもの、天の意思なるブルー。
ブルーは呼吸をも表し、命そのものとも言えます。
人は生まれるときにその息を吸って、死ぬときには息を吐いて亡く
なるのだと思っていましたが、「息を引き取る」という言葉がある
ように、人は死ぬときには息を吸って死に、産声を上げるときに息
を吐いて生まれるのだという説もあるようです。
どちらが本当かは知りませんが、いずれにしろ、呼吸なくして人は
生きることはできないので、ブルーは命でもあります。
そして、私が感動したのは、宇宙のなかに浮かぶ地球のブルーを見
たときです。
人が初めて月に飛び立ったとき、そこに見たのは漆黒の宇宙のなか
に浮かぶ青い地球だったのです。
http://p.tl/X4iU
水の惑星、地球・・・。
宇宙から見た地球は、紙のように薄い空気の層に守られて、奇跡的
に命が存在している星なのです。
まさに私たちは、奇跡的にブルーに生かされているのです。
空(そら)のブルー。空は「くう」とも読みます。
ブルーから来て、ブルーに帰る。
それでは、鮎沢玲子さんの日本の色で学ぶオーラソーマ Vol.15
≪ブルー≫ を、どうぞお楽しみください。
尚 記
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毎月原稿を書かせていただきました「日本の色で学ぶオーラソーマ」
ですが、ついに今回で最終回となりました。
いつもお読みいただきありがとうございます。
熱心な読者の皆さまから、毎回感想やご質問などをお寄せいただい
たことが、書きつづけることの大きな励みになりました。
心よりお礼を申し上げます。
さて、最終回に取りあげる色は「ブルー」です。
オーラソーマで色の言語を学ぶときに、最初に出てくる「プライマ
リーカラーの1番目」の色がブルーです。
連載で、この色が最後まで残っていたのは、偶然ではないように思
います。
オーラソーマの色彩の原点であり最初の出発点であるブルーで、こ
のシリーズの幕引きといたしましょう。
日本の色名でブルーを表すものは数々あります。
なにしろ江戸時代にめざましく発達した藍染めは、濃紺からごく薄
い水色までブルーの諧調を幅広く染めることができたからです。
そのなかからブルーを表す色名として、「空色」(そらいろ)を選
びました。
よく晴れた日の空の色を表現したもので、明るいブルーです。
空天色(くうてんしょく)、碧天(へきてん)とも言います。
今の時期、秋晴れの空はまさにこの色ですね。
ブルーの色の言語に「天の意志」があります。
ブルーを見ると、きっと誰もが「空」を思い浮かべます。
自分が何のために生まれてきたのかを知りたいと思ったとき、ひと
は無意識に空を見上げるのではないでしょうか。
人生のブループリント(青写真)は自分の頭上にありますから。
日本語で「空」の文字は、そらであると同時に「からっぽ」を意味
します。
これはブルーの色の言語である「明け渡し」と一致します。
ブルーの明け渡しは、すべてを手放すことです。
ブルーの第5チャクラは喉・・・気管から息を吐き出すのに、その
成分を選べないのと同じように、より分けることなくすべてを手放
すことしかできません。
反対に補色のオレンジは第2チャクラで腸の部分ですから、選んで
手放します。
必要なもの(栄養)は吸収し、不要なものは手放す(排泄)する働
きです。
この場合の不要なものとは、ショックや恐れ、執着といったもので
しょう。
日本人に好きな色のアンケートを取ると、明るいブルーが不動の1
位なのだそうです。
サッカーの日本代表チームの青いユニフォームを「ジャパン・ブル
ー」と呼ぶように、日本人のアイデンティティにもっともふさわし
い色なのだと思います。
ブルーは信仰と信頼、そして平和の色。
「和を以て貴しと為す」・・・7世紀初頭に聖徳太子が定めた十七
条憲法の、第一条にある有名な言葉です。
これは、古い時代から日本人のなかに「和」の精神が存在していた
ことの証しです。
「和」とは、波風を立てずに物事を丸く収めることではありません。
派閥などのこだわりを捨てて互いに話し合い、道理にかなった結論
を導くことを指しています。
つまり、コミュニケーションを大切にする、ということ。
本心を隠さずコミュニケーションが取れることこそ、真の平和です。
今回で私の連載は終わりますが、これからもどうぞ日本の色や文化
に興味をもって触れていただきたいと思います。
日本人ならではのオーラソーマの深め方ができる・・・そう信じて
います。
長い間の連載、ありがとうございました。
お読みいただいた読者の皆さま、並びに和尚アートユニティの皆さ
まに心より感謝を申し上げます。
(※こちらで画像付きで掲載をしています。
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-11626241143.html )
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/