第688号 鮎沢さん(58)「季節の色35」:青鈍アオニビ
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■ 1.巻頭エッセイ:
鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 Vol.35
≪【青鈍】あおにび≫ (2016,11/2 水)
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≪【青鈍】あおにび≫ ってこんな色みたいです。
http://www.colordic.org/colorsample/2118.html
コンピューターの画面で見ると、それぞれの画面の特性で正確な色
にはならないと思います。
同じ色でも、こちらのサイトでは、また違った色に見えます。
http://www.color-sample.com/colors/3774/
いずれにしろ無彩色で、そのなかに色のニュアンスを見出すところ
は、まさに「無」や「空」(くう)、侘び寂び、ということを好み、
味わう日本人の感性ともいえます。
『源氏物語』の「玉鬘」にも、この色の名前が出てきています。
「空蝉の尼君に、青鈍の織物、いと心ばせあるを見つけたまひて、
御料にある梔子の御衣、聴し色なる添へたまひて
同じ日着たまふべき御消息聞こえめぐらしたまふ」
(現代語訳)
空蝉の尼君に、青鈍色の織物、たいそう気の利いたのを見つけなさって、
御料にある梔子色の御衣で、聴し色なのをお添えになって、同じ
元日にお召しになるようにとお手紙をもれなくお回しになる。
今では名前も知らなかった色ですが、その当時は気の利いた色だった
のですね。
それでは、鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 Vol.35
≪【青鈍】あおにび≫を、どうぞお楽しみください。
それでは、今日もすてきな一日を!
Have a nice day.
尚 記
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11月に入り、ますます昼の時間が短くなってきました。
秋の夜長と言いますが、この時期、日ごとに夜の訪れが早くなります。
先月は10月1日と31日、ひと月に新月が2回ありました。
最近では、2回目の新月を「ブラックムーン」なんて呼ぶのですね。
新月のときは太陽と月の位置が地球から見て重なるため、もともと
真っ暗で見えないので、いつでもブラックムーンなのですが。
ちなみにひと月に2回の満月があるとき、2回目を「ブルームーン」
と呼び、幸運の満月とする風潮もあります。
なににせよ、月の満ち欠けに関心を持つのは、好ましいことだと
思います。
ところで先日のブラックムーンは10月31日で、奇しくもハロウィン
と重なりました。
新月で月のない晩がハロウィンだなんて、ちょっとできすぎ。
最近では、すっかりお祭り好きな人たちの仮装パーティー行事に
なっていますが、ハロウィンの起源をご存じですか。
古代、アイルランドに住むケルト民族は、10月31日を一年の
終わりとしていました。
秋の収穫を祝うとともに、先祖たちの死者の霊が地上に還ってくる
とき、と位置づけていました。
日本のお盆とよく似ています。
この時期のアイルランドは、すぐに日が暮れて長い夜がやってきます。
ハロウィンには死者の霊だけでなく、悪霊や得体のしれない精霊
などもやってくるのです。
そこで、悪霊たちの目をごまかし、さらって行ったりされないように、
わざと不気味な仮装をして、ランタン(のちにアメリカに渡って
かぼちゃが定着)に火を灯したり、たき火をしたりしたのがはじまり
です。
今回取り上げる日本の色の紹介がすっかり遅くなりましたが
「青鈍」(あおにび)です。
「青鈍」は薄く墨色をかけたような暗い青色のこと。
平安時代には、青色の上に橡(つるばみ)などの墨色をかけて、鉄
で媒染する方法で染めていました。
近親者を亡くした人が喪に服する間、着用する「凶色」として
使われました。
単に黒ではなく青の色味をわずかに残した墨色が、かえって悲しみ
や静けさを表現していたのかもしれません。
今回これを選んだのは、晩秋の月のない夜空「ミッドナイトブルー」
に近い日本の色はどれか・・・と探しました。
真夜中、空が暗ければ暗いほど、昼間は見えなかった星々が見えます。
真っ暗な空は神秘への入り口。
身体のチャクラと対応させると、眉間にある第6チャクラがこの色
に相当します。
オーラソーマで言えば「ロイヤルブルー」で、第3の目(サードアイ)
と呼ばれる超感覚(サイキック)を司るチャクラの色です。
「青鈍」や「ロイヤルブルー」「ミッドナイトブルー」のような
静けさを持つ、深い青色に出会うとき、私たちがふだん気づけない
隠されたものを見、聴こえない声や音を聴くチャンスです。
闇にそっと目を向けて、じっと耳を澄ませて、静かに自分自身と
向きあう時間を持つのも悪くない気がします。
(※こちらで画像とともに掲載をしています。
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-12215522162.html )
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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