第802号 鮎沢さん(72)「季節の色48」:柑子色
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■ 1.巻頭エッセイ:
鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 Vol.48
≪【柑子色】こうじいろ≫ (2017,12/6 水)
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いよいよ秋も終盤を迎え、晩秋の候となりました。
と書きましたが、気候の挨拶は難しいところがあって、「晩秋の候」
っていつだ? というと色々説があるようで困ります。
というのは、日本は旧暦があって、こういう言葉は旧暦の頃の言葉な
ので、今の季節に置きなおす必要があったりします。
普通「晩秋」と聞くと、秋の終わりの頃で、気温的には「朝晩のほか、
日中でも冷え込みを感じるようになる冬の前の時期」を指すとすれば
ちょうど今の時期です。
ということなので、鮎沢さんのいう通りで問題はないのですが、
二十四節気では、
寒露(今年は10月8日)~立冬(11月7日)までの
期間を晩秋とする、という説があったりします。
しかも、二十四節気というのは中国の言葉というのだから、そうする
と、中国との季節の違いもあることだし。。。
それに地球温暖化などもあって、今年は例年になくあったかかった
気がするし。
なんて言っていると、ますます季節がわからなくなってしまいます。
とは言いながら、鎌倉も確実に冷え込みは強くなってきているので
冬はもうすぐです。
今年も残りあとわずか。
やれることはやっておきたいものです。
それでは、鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 Vol.48
≪【柑子色】こうじいろ≫を、どうぞお読みください。
今日もすてきな一日を!
尚 記
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日本の暦には「七十二候」という、季節を表す言葉があります。
1年を二十四の期間に分けて表現するのが「二十四節気」です。
「春分」や「秋分」、「処暑」「大寒」など、みなさんも聞いた
ことがあるでしょう。
その二十四節気をさらに3つに分割したのが七十二候です。
ちょうど今の季節は「小雪」の末候(3つに分けた3番目)で、
およそ12月2日~6日頃の5日間に当たります。
「七十二候」の言葉は「橘始めて黄なり」(たちばなはじめてきなり)
で、橘の実がだんだん黄色くなるころを表しています。
七十二候で色が表現されているものは、そう多くはありません。
橘はミカンの仲間で、カンキツ類では日本に古くから自生していた
唯一の品種だそうです。
『日本書記』に、不老不死の力を持った果実のことが書かれています。
『古事記』のなかで、それが橘のことだとしたことから、「右近の
橘、左近の桜」として京都御所に植えられています。
黄色い実が目を引くこともさることながら、初夏に緑色の葉をつけ、
白い五枚の花弁と黄色い花芯の橘は、植栽としても人気だったよう
です。
奈良時代には、元明天皇が宮中に仕える部下に橘の苗字を与える
などして、橘氏が生まれます。
橘一族の家紋で使われているほか、時代が下っては1937年に
制定された文化勲章のデザインも橘をあしらったものです。
古来より人気の高かった橘ですが、色の名前としては「かさねの色目」
にその名がわずかに使われている程度です。
色名では、橘の変種である柑子(こうじ)の名前が「柑子色」として
現在も残っています。
柑子色は、同系色の橙色や蜜柑色に比べて、くすんだゴールドと
いった感じで秋らしい色あいです。
ちょうど今年の秋のファッションで流行した、マスタードイエロー
を少し暗くした色をイメージしてもらうとよいでしょう。
流行色でなくても、晩秋から初冬にかけて和服でも洋装でも、一度
は着てみたくなる色です。
野山を彩る紅葉や、稲穂が実るきらびやかな秋が終わり、同じゴー
ルドの仲間でも、柑子色の落ち着いた色がしっくりくる時期が今
なのです。
そして冬本番の寒さになるにつれて、もっと暖かみのあるレンガ色
や、クリスマスを思わせる鮮やかなレッドなどを手に取ることが
多くなります。
そんなふうに季節とともに、心惹かれる色もまた移り変わります。
(※こちらで画像とともに掲載をしています。
https://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-12333980216.html)
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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