第620号 石黒寛子さん「ASと創造性」(26)
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■ 1.巻頭エッセイ:石黒寛子さんの
「オーラソーマとクリエイティビティー」vol.26 (2016,3/9 水)
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毎年、3月になるとすぐに、鎌倉にある和尚アートユニティの入口
の花壇の片隅に、黄色いクロッカスが咲きます。
その花は先日の雨とともに消え去って、今は黄色い水仙が群がって
咲きほこっています。
桜の季節が近づくと、いつも思いだす言葉があります。
「年ごとに、咲くや吉野の山桜 木を割りて見よ 花のありかを」
桜が咲く前に、木を割ってみても、そこに桜の花があるわけでもな
いのに、毎年ちゃんと桜の花が咲くって、不思議ですよね。
見えない命の営みの不思議さを感じます。
「描きたいものは、
いつも、その存在をはるかに超えたところにあり、
描くために、そちらへ行くというよりも、
それが、わたしにそっと触れてくれるような
わたし自身で在るかどうか、ということのみのようです」
それでは、石黒寛子さんの「オーラソーマとクリエイティビティー」
vol.26を、どうぞお楽しみください。
尚 記
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こんにちは。
クリスタルラインおとはなの寛子です。
春の匂いを朝に感じると、少し嬉しくなりませんか?
今日は少し早起きをして書いています。
種無しのぶどうを皮ごとかじりながら、コーヒーをいただきながら、
活けてあるお花の花びらの隙間を通り抜ける、陽の光に今気づいて
とてもしあわせになりました。
もっともしあわせに感じるときって、「なんてことない」ところの
どまんなかだったりしませんか?
たぶん、それに気づくために、「これまでのいろいろ」という、コ
ントラストを味わっているのでしょう。
あ、うなづいていらっしゃるたくさんの方のお顔が浮かびます。
なにかを描くとき、よく思いだす、ふたつのことがあります。
ひとつは、美大受験のための実技予備校に通っていたころ、デッサ
ンの授業で・・・
「ものを描きたければ、その間にあるものを描け」と、先生に言わ
れた言葉でした。
意味不明・・・と、左脳で反応しながら、わたしのなかのどこかで、
その哲学的な響きを喜んでいる自分がいました。
もうひとつは、わたしのオーラソーマの初めてのティーチャー、ヌ
ラの授業の忘れられないシーンです。
「はじめに、自分の手の細部を注意深く見てください。
指の長さ、関節、シワの一つひとつ、細かいところまで」
それからしばらくして、ひとつ呼吸をして・・・
「次に、同じ手を、今度は受容的に見てください」
・・・と言われました。
わたしは、少し目を細め、そこにある自分の手を、ただ、やさしく、
受け取るように眺めました。
すると、ふいに涙がこみあげました。
最初との内側のエネルギーの流れ方の違いに、びっくりもしました。
ヌラは、ただ、みんなのその、なにかを発見した表情を、微笑んで
見ていました。
そこにあるものを、注意深く、細かく、焦点をしぼって見ようとす
るとき、わたしの内側は、前向きのエネルギーが流れました。
アウトワードの流れ、男性性が活性化し、働きかけようとする感覚
がやってきます。
「なにかをしよう」という感じ、それから、少しのジャッジメント
です。
もっとすべすべだったらいいのに、とか、爪の形がもうちょっと・・・
などがやってきます。
次に、女性性、バックワード、わたしのなかへ流れ込んでくる流れ、
受容的な感覚で、同じものを捉えてみると・・・
とてもくつろいで、そこに「ただ在る」ことが前よりも簡単になり
ました。
そして、愛しさ、やさしさが自然とあふれ・・・
「見よう」としても見えなかったものたちに気づいているのです。
つまりそれは・・・
花を描くとき、花そのものを描こうとするよりも・・・
その花びらの隙間に流れるものを、受け取りながら描く方が、描き
たいものが描けることと同じです。
その隙間を通る陽の光が美しいのは
まぎれもなく、そこに花があるからです。
そしてもはや、完璧に花を描こうとすることなど、どうでもよくな
り、いつのまにか最初にしようとしたことから自由になっているの
です。
「今度は、そんなふうにして、この部屋を少し歩きまわって、世界
を見てください」
ヌラは続けました。
わたしたちは、ぼんやりと世界を受け取りはじめました。
「見る」や「探す」ではなく、すでに、そこにある世界に、まるで
そっと寄り添ってみるように。
もうずっと前から、そこにあった「美しさ」が、むこうからわたし
たちに、突然語りかけはじめました。
なにひとつ、変わっていないのに、わたしたちの意識のシフトが、
わたしたちのなかに立ちのぼるものを変化させました。
「わたしたちは、本当にこの世界を、見ているのでしょうか?」
ヌラのその言葉が、今でも忘れられません。
花を描くときも。
ボトルのインスピレーションのアートを描くときも。
どなたかのインプレッッション・アートを描くときも。
描きたいものは、いつも、その存在をはるかに超えたところにあり、
描くために、そちらへ行くというよりも、
それが、わたしにそっと触れてくれるような
わたし自身で在るかどうか、ということのみのようです。
*
それでは今回も、イクイリブリアムボトルたちの声に、アートを通
して耳を澄ませてみましょう。
前回の続きのボトルからです。
B74(ペールイエロー/ペールグリーン)
『勝利』
http://aura-soma.co.jp/products/equi/B074.html
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/image-12137264069-13587807407.html
輝きと喜びのなかへ
B75(マジェンタ/ターコイズ)
『流れとともに行く』
http://aura-soma.co.jp/products/equi/B075.html
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/image-12137264069-13587807985.html
はじまりのひとしずく
B76(ピンク/ゴールド)
『信頼』
http://aura-soma.co.jp/products/equi/B076.html
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/image-12137264069-13587807986.html
愛しさつむぎ
B77(クリアー/マジェンタ)
『カップ』
http://aura-soma.co.jp/products/equi/B077.html
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/image-12137264069-13587807987.html
クリアーという愛
B78(ヴァイオレット/ディープマジェンタ)
『クラウンレスキュー』
http://aura-soma.co.jp/products/equi/B078.html
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/image-12137264069-13587807988.html
あらゆる可能性へと
(※こちらで画像とともに掲載をしています。
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-12137264069.html )
(その他の作品はこちらですべてご覧いただけます。
http://www.hiroko.gifts/#!inspiration-art/c19be )
※ボトルのインスピレーションアートについての各コメントは、あ
くまでも個人の体験による洞察です。色彩の言語やボトルの意味な
どに、特に関連づけることなく、やってくるものをそのまま表現し
ています。
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クリスタルラインおとはな
石黒寛子(いしぐろひろこ)プロフィール
http://www.hiroko.gifts/#!profile/c1pqe
Official Site:
http://www.hiroko.gifts/
Facebook:
http://www.facebook.com/hiroko.gifts
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