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巻頭エッセイ


第450号 【パリさん】:カラーローズ—それぞれの世界

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■ 1.【ぱりさんのオーラソーマ】:それぞれの世界  (2012,2/13)
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ときどき、幕あいに顔を出す、「オーラソーマ」をちょっと部外者
的な立場から眺めてみる【ぱりさん】シリーズです。^^;

オーラソーマのカラーローズを“全人間心理のカラーインデックス”
に見立てて、その内部的なダイナミクスを連想して楽しんでいます。

ちょっと理屈っぽいですが、常識だけでお付き合いいただければ、
案外、面白がっていただけるかもしれません。

このシリーズでは、「カラーローズ」は内部に要素間の動的力学を
内蔵した“人間心理”の曼荼羅と見立てたのでした。

「カラーローズ」のなかの色々な位置は、それぞれ人間のさまざま
な志に由来する、さまざまな“人間心理”を表す位置でしたね。

そして“人間心理”とは、実はわれわれ人間が生きている世界その
もののことでもありました。

なぜなら人間は、万人が共有する共通の世界に対応しているのでは
なく、じつは各個人の記憶と想像に対処して生きていたからです。

人間はひとり一人がじつは別々の世界に生きている、などと初めて
聞くと、メチャクチャな話とも聞こえるかもしれません。

でも、これは信じがたいことではあるかもしれませんが、実際には
否定できない客観的な事実です。

われわれはみんな、自分のDNAの命ずるところに従い、また受け
た条件づけに応じて反射的に生ずる感情に対応して生きています。

このことは、そのように生きている個々人にとっては、取り立てて
意識する必要もない、ごくごく当たり前の現実です。

なので、自分が日々対応しているその当たり前の現実を、誰もが、
客観的世界だと勘違いしているだけなのです。(^^;)

そういう日常が続くので、誰もが、自分は客観的に存在する世界に
対応して生きているのだと信じて疑いません。

確かに、成長の過程でやがて家庭の外の環境に触れ、学校にも行く
ようになって、他人と自分が違うことは知るようになります。

でも一旦、それは個々人の個性の違いだと教わり、そのような理解
の枠組みが与えられると、またそれで安心します。

自分が生きている世界が客観的に存在する、という信仰が壊れるこ
となく継続できるのです。

そりゃそうですよね、いちいち自分が生きている世界の客観性を疑
っているような、そんな暇は誰にもありませんもの。(^_-)

かくて誰もが、自分が客観的に存在する世界に対応して生きている
のだと信じているのです。

いやそもそも、そんなことを疑ってなどいないわけです。

でもわれわれ個人が存在すると信じている世界は、実は“客観的”
には存在しません。

なぜそんなことを断言できるのか? (?_?)

なぜなら、あなたがが住んでいる世界は、ほかの人には見えないか
らです。(*^_^*)

あなたが住んでいる世界が“他人”には見えないように、“他人”
が住んでいる世界も、あなたには見えません。

前回、「イエロー」には「ブルー」が見えるでしょうか?、と言っ
たのには、そういう意味の包含もありました。

あなたにも、自分が当然だと思っていたことを真っ向から否定され
た経験が、一度や二度くらいはあるだろうと思います。(^^;)

そういうとき、いやだってそれは……と一瞬抗弁したくなります。

でも、気がづいてみると、それはできない。

なぜなら、それが単に自分がこれまで引きずってきた思い込みにす
ぎなかったことが、自分にもわかってしまうからです。

それは相手にも見えるような客観的に存在しているものではなかっ
たのです。(-_-;)

あるいは、一定の条件下で再現性をもって示せる科学的知見のよう
なものでも、なかったからです。

ただ自分の過去の記憶のなかにしか、その対応の“妥当性”を証明
できる証拠は何もありませんでした。

もちろん、自分がそう判断するのは、自分にはこういう体験がある
からだ、とその相手に説明することはできます。

そして、相手が親切な人なら、同情心をもって耳を傾けてもらえる
かもしれません。

でも、いちいち、誰にでもそんなことを説明して回るわけにはいか
ないことも確かです。

大なり小なり、誰もが他人には語りきれないほどの“個人的物語”
を抱えて、精一杯なのですから。

つまり、それぞれの“個々人が生きている世界”は、結局、他の人
には見えないものなのです。

それは客観的に存在している世界ではなかったからです。

人間は“客観的な世界”に生きているわけではない、と言った言葉
の意味が、今度はずっと身近になりましたか? (^_-)

われわれ人間は、それぞれ別々のとても個人的で主観的な“物語”
のなかを生きています。

「カラーローズ」とは、その個人的で主観的な“物語”が展開する
その“人間心理”の舞台、心理空間のことでもありました。

だから「カラーローズ」のなかには、自分の“物語”だけでなく、
誰の“物語”もマッピングすることができます。

われわれすべての人間がここを舞台にし、一瞬一瞬点滅し、位置さ
え変えながら、ここで“自分の物語”を紡いでいるのです。

みんな、それが“自分の物語”だと思って……。

なんだか、不思議だと思いませんか。(^^;)

え、何が不思議なのか、わからない? (?_?)

それは、誰もがその個々の物語を“自分の物語”だと思って疑わな
いことです。(^_-)

だって「カラーローズ」のなかには、あなたの“物語”もほかの人
の“物語”も、区別なく同等に並んでいるんですよ。

「カラーローズ」の中のあなたの“物語”とは、あなたにも納得が
いくある意図(=欲望)から生ずる“人間心理”のことです。

「カラーローズ」の中の“他人”の“物語”とは、あなたにはよく
わからない意図(=欲望)から生ずる“人間心理”のことです。

それが「カラーローズ」の中には、何の依怙贔屓もなくすべて対等
に、並べられているのです。

しかもそれぞれの意図それぞれの欲望の位置関係や補色関係までが、
すべて一目瞭然で見晴らせるなんて……。

こんなすごい曼荼羅がありうるんですねぇ。(-_-)

もしあなたに、これまで自分にはよくわからなかった“欲望”に対
する理解が明け初め、その“人間心理”がわかってきたら。

そうしたら、あなたにはきっと“他人”の“物語”を、“自分”の
“物語”と同じように同情できるようになるのかもしれませんね。

そうしたらいつかは、“自分”の“物語”を“他人”の“物語”と
同じように笑えるようになるかもしれません。(^_-)

そうなったら、それは“自分”の“物語”や、“他人”の“物語”
であり続けられるんでしょうか。(?_?)

だって、それが単に“人間心理”という舞台の上での約束事にすぎ
ないことが、わかってきちゃうんじゃないでしょうか。(^_-)

なぜならそれは、“人間心理”の世界におけるひとつの“彩り”、
ひとつの“欲望”に対するいわば依怙贔屓にすぎないのですから。

にもかかわらず、その全体がなければ“物語”は展開しない。

“他人”って誰のことなんでしょう? (?_?)

いや、そももも“自分”って誰のことなんでしょう? (?_?)

(*^_^*)

でも、大丈夫、われわれ人間が、その“物語”の虚構性に薄々気が
つき始めた頃には、もう舞台からの退場の時が近いのです。(^_-)

“人間心理”の舞台の上では、次から次とメンバーが切り替わって、
どんどん新しくて古いその同じドラマが展開し続けます。

もちろん、時にはそのドラマのなんたるかを見破る人たちもいるわ
けです。

たとえば、インドの覚者Oshoは、こんなふうに言っています。

------------------------------------------------------------
だから、人の数と同じだけの世界がある。
なぜなら、人はすべて自分の世界に住んでいるからだ。
他人の愚かさなら笑うことができる。
だが、自分自身の愚かさを笑い始めるまでは、タオの人、自然の
人、真理の人となることはできない。
                        『信心銘』(p294)
------------------------------------------------------------

と……。(*^_^*)

でも、気にしない気にしない、“人間心理”のドラマは、それでも
ちゃんと続いていきます。

“物語”が虚構であろうがなかろうが、そんなことは関係なしに、
すべてを飲み込んで、メリーゴーラウンドは回り続けるのです。

「カラーローズ」を見ていると、いろんな連想が出てきますね。

「カラーローズ」って、本当に素晴らしいです。(^^)/

次に機会があったら、また「カラーローズ」を別の視点から眺めて、
勝手な連想を楽しませていただくかもしれません。

いつもお断りしているとおり、これは「オーラソーマ」で認定され
た見解ではありません。

「オーラソーマ」がゲーテの色彩論から引き継いだ「カラーローズ」
という素晴らしいツールに触発された、まったく自由な立場からの
連想です。

お付き合いいただき、ありがとうございました。<(_ _)>

                          pari 記


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