第636号 鮎沢さん(52)「季節の色29」:菖蒲色
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■ 1.巻頭エッセイ:
鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 Vol.29
≪【菖蒲色】しょうぶいろ・あやめいろ≫ (2016,5/4 水)
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ゴールデンウィーク真っ盛りです。
そのゴールデンウィークに、ぜひやってみるといいことのご紹介が
最後にあります。
こういう風習って、季節を身体で感じられるのでいいですよね。
それでは、鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 Vol.29≪【菖蒲
色】しょうぶいろ・あやめいろ≫を、どうぞお読みください。
それではすてきな1日を。
Have a nice day!
尚 記
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ゴールデンウィークまっただなかですね。
みなさま、いかがお過ごしですか。
5月5日は「端午の節句」男の子の健やかな成長を願う行事です。
ところがこの節句、生まれた当初は主に女性のための行事だったこ
とをご存じですか?
日本では今も昔も、今頃が田植えの季節です。
田植えをする女性「早乙女」(さおとめ)が、田の神様に豊作を祈
るために身を清めます。
そのため、ヨモギや菖蒲(しょうぶ)で、屋根を葺いた小屋に一夜
籠る「五月忌み」(さつきいみ)という行事があったそうです。
これが、やがて中国伝来の「端午の節句」と結びつきました。
どうりで、苗字に早乙女さんもいれば、五月女さんもいますね。
どちらも5月に田植えをする女性の意味から来ているのですね。
そのころから菖蒲(しょうぶ)の茎や根には、病気を治す効果と、
穢れを祓う魔除けの効果があると信じられていました。
菖蒲を束ねて地面をたたく「菖蒲打ち」も行われていたそうで、土
地の邪気を祓うものでした。
現在も、5月5日に「菖蒲湯」に入る習慣が残っているのは、この
ためです。
菖蒲と書いて「しょうぶ」とも「あやめ」とも読みます。
ちょっとややこしいのですが、植物の分類では「あやめ」はアヤメ
科で、「しょうぶ」はサトイモ科。
漢字で書くと同じなのに、読みが変わると別な植物をさすのですね。
「菖蒲湯」に使うのは、サトイモ科の方です。
さわやかな香りがして、保湿効果や血行促進にもいいそうです。
区別をするために、アヤメ科の方を「ハナショウブ」と表現するこ
とがあります。
今回の日本の色「菖蒲色」とは、ハナショウブの花のような赤みの
ある紫色です。
ただし、この色名が使われるようになったのは、江戸時代も後期に
なってからのことだそうです。
一方、武士の時代(鎌倉時代)、端午の節句が男の子の行事に変化
していった経緯として、菖蒲(しょうぶ)とのつながりが強くある
ように思います。
この言葉は「尚武」(武を尊ぶ)に通じます。
また「勝負」にも通じ、葉の形がとがった剣先のようでもあり、男
子の成長や武士としての立身出世をイメージさせるに十分です。
ですから「しょうぶいろ」で紫色の花のイメージは、当分出番がな
かったのかもしれません。
残りのゴールデンウィークの期間、みなさまどうぞ有意義にお過ご
しください。
そして5日には、ぜひ「菖蒲湯」に浸かりたいものです。
(※こちらで画像とともに掲載をしています。
http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-12156756363.html )
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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