第２２１号 ハートからのカウンセリングスキル(4)
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■ １．巻頭コラム：ハートからのカウンセリングスキル その４
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今回で、ハートからのカウンセリングスキルについてのシリーズは、ひとまず
お仕舞いにしますので、もう少しお付き合いください。
これは、ひとつの人間理解の構図です。
ラハシャは、この人間理解の構図に基づいて、エデンの園に戻るためのカウン
セリングスキルを提案します。
さまざまな苦しみや悩み、心理的痛み、悲しみ、多くの人がカウンセラーに助
けを求めて来るのは、多くの場合、このような本来の自己との分離、本来はそ
れとひとつであるはずの宇宙との分離が、その根源になる場合が多いのです。
でも、そもそもあなたがこの人生で求めているもの、愛、喜び、満足、自由、
平安、やすらぎ、静けさ、そのすべての源は、あなたの内側にすでにもってい
るものなのです。
私たちは、それらを外側から得るものだと思って、両親や恋人の愛を探し求め
たり、喜びを感じるためのさまざまな努力をします。
それは、自分の内側のエッセンスと分離し、そのつながりを失ってしまったか
らです。
ハートからのカウンセリングスキルでは、その本来の内なるエッセンスに気づ
いていくことをサポートしていくことになります。
そして内側に愛を見出すことができれば、それらの苦しみや悩みから解放され
るのみならず、その内側に見出した愛を分かちあっていくことができますし、
幸せの源を内側に見出すことができれば、その幸せを分かち合うことができま
す。
内側に見出したものは、それを外側からも引き寄せることにもなっていきます。
そうすると、その人は愛にあふれ、幸せにあふれた人生を生きていくことがで
きるようになります。
オーラソーマも同じ人間理解の構図を持っています。それは、あなたが求めて
いるものは、すでにあなたの内側に持っているということです。
大いなるガイドは、すでにあなたの内側にあります。
オーラソーマは、本来あなたの内側にあるものを映し出す鏡なのです。
オーラソーマは、あなたのエッセンスを思い出すための、あなたの魂の鏡なの
です。
ですからオーラソーマをする人たちが、ラハシャのハートからのカウンセリン
グスキルを学ぶことで、クライアントの状態を把握しながら、より深くコンサ
ルテーションを深めていくことができるようになるのです。
現代社会では、しばしば私たちは、そのエッセンス、魂を忘れてしまいがちで
す。
人間は、この肉体がすべてであり、魂なんて存在しないと考えている人たちも
多くいます。
どちらが正しいかは死んだときにわかるでしょうから、ここで議論しても無駄
なことなのでしませんが、興味あるテーマではあります。
それはともかく、私たちは学校では、あるいは両親からも、理想を掲げ、信念
をもって生きるべきだと習ってきているので、実はその理想と信念こそが、あ
なたを本来のあるがままのあなたから分離させている原因だと知ったら驚くで
しょう。
もちろん理想や信念は、自らを成長させ、向上させていくためにはすばらしい
ものでもあるのですが、でもその理想や信念のために、自分が分離し、世界が
分離し、そのために内側で、そして外側でもさまざまな戦争を引き起こし、不
幸になって苦しんでいるとすれば、その理想や信念について、今一度見直して
みるのも意味のあることでしょう。
そして、それらの理想や信念がどのような意味があり、自分の人生にどのよう
な作用を及ぼしているのかを考えてみるのもいいでしょう。
では、ラハシャ博士のカウンセリンリング講座をお楽しみ下さい。
尚 記
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理想と「べき」
たいてい両親というのは、あなたが誰であるかというより、子供としてどうあ
る“べき”かに興味があります。
これはつらいことなので、あなたはこの痛みから分離する方法を学び、さらに
この分離を正当化するすべも身につけます。
あなたは戦略の上に理想と“べき”の層をつくりあげます。「いい子でいなく
っちゃ。怒っちゃいけない。隠しごとをしたり、うそをついたりしちゃダメ。
賢くって、何でも知っていなきゃ。ちゃんとおとなしくして、さわいじゃいけ
ないんだ」“受け入れられない”行動が起こるたびに、あなたは無意識のうち
に“悪い”ものとしてレッテルを貼って、抑圧します。
あなたは、あるがままの自分でいてはいけないと自分自身に言いきかせます。
そしてあなたがあるがままでいてはいけないのなら、他の人もまたあるがまま
でいてはいけないのです！ あなたは自分も他者も間違ったものに仕立てあげ
てしまうのです。こうして、さらに大きな分離がつくりだされます。
これは、あなたの関係性がなぜ困難であるかの、あなたがなぜ自分のパートナ
ーと一体感をもてずに争い合うのかの理由のひとつです。
「信念」
“べき”と理想を保ちつづけるために、あなたは数々の信念の層や、理想の上
に築かれたいくつかの信念体系の層に、盲目的に適応しようとします。
自分はキリスト教徒、ユダヤ教徒、仏教徒、イスラム教徒、もしくはヒンドゥ
ー教徒であると信じます。自分はドイツ人、アメリカ人、ロシア人、イタリア
人、日本人であると信じます。あなたは思考がつむぎあげた現実を信じ、それ
を守ろうとします。
ところが、その根底にあるリアリティはあなたの信念について何も関知するこ
となく、ただそこにあるだけです。
あなたが信じるところの神は幻想です。存在していません。あなたが信仰して
いる神はただの思考にすぎません。
聖書には「神はみずからの姿に似せて人間を創造した」と述べられていますが、
実際は人間がみずからの姿に合わせて神をつくりだしたのです。
万能の神というのはとても強力な思考であり、「私の神こそが唯一の真実の神
であり真実だ」という信念をつくり出します。
イスラム教徒たちは神とはアラーのことであり、それが唯一の真実の神である
と信じ、キリスト教徒たちはキリストの父こそが神であり、唯一の真実の神で
あると信じます。
これらの信念は、お互いに橋を架けることのできない大きな隔たりを生みだし
ます。ですから、この信念の層においては、人間は非常に分離しているのです。
世界中で起こっている戦争の多くは宗教戦争です。異なった信念同士が衝突し
合うもっとも激しいケースです。信念はただの思考であり、マインドの織物で
す。実在しませんがとても力強いものです。
マルクス主義者は存在するのは物質世界のみだと言います。意識は存在しませ
ん。存在するのは肉体、マインド、そして信念のみです。唯一共産主義だけが
進む道だとします。
何百万人が共産主義という名のもとに殺されました。より良い未来を信じるこ
とが、たくさんの“今”を殺すことを正当化しています。
“未来”は思考、信念です。それは存在しません。“未来”が到着するとき、
それはいつも現在として到着します。
「アイデンティティ−自我（エゴ）」
信念というのは、非現実の領域に存在するにもかかわらず、とても強力なもの
です。結晶化した信念と、その底にあるすべての層が危ういのは、数ある自己
確証（アイデンティティ）とは明らかに異なる分離したアイデンティティをつ
くりあげることにあります。
腱が骨に張りついているように、今まで話してきたすべての層に、あなたは執
着するようになります。それらの層のなかであなたが同一化したものが、あな
たの自我（エゴ）をかたちづくります。
その自我は、分離を引き起こしている種々様々の理由を元に、空像上の人生を
導きだします。
自我（エゴ）にはあなたの同一化に合わせて、なすべき務めがあるのです。
自我（エゴ）は生に対する「ノー」であり、生の自然な流れに対する「ノー」
です。かつては変化に富み自由に流れていた川の流れが、硬直した水路になり
ます。
目覚めの後に残るすこやかな個性とは、身心(ボディ−マインド)と名前に対す
る相対的な同一化だけです。それがあなたのユニークなところなのです。
自我（エゴ）の限られた層が、肉体エネルギー、感受性、受容性、喜び、行動
力、知恵、愛、慈悲、創造性、理解、気づき、明晰さ、全体とのつながりなど
と特有に組み合わさることであなたのユニークな特質へと変容します。
「ハートからのカウンセリングスキル」 ラハシャ博士 著 より
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