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巻頭エッセイ


第626号 【パリさん】:「成る」というゲーム

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■ 1.【ぱりさんのオーラソーマ】:「成る」というゲーム (2016,3/30 水)
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鎌倉も、いよいよ桜の花がほころびはじめました。

今回のぱりさん、とても意味深で、深いお話。

「“輝かしい栄光”がありえるためには“暗澹たる悲惨”が必要で
 す。

 “成功”があるためには、“失敗”がなくてはなりません。

 つまり、“善人”に「成る」とは“悪人”を創造することなので
 す」

なにごともゲームです。

ゲームは遊びとして楽しむこともできれば、深刻になってしまうと
苦しみにも成り得ます。

ただ、すでに自分は「在る」存在なのだということを覚えてさえい
れば、深刻になることなく楽しめるでしょう。

それでは、【ぱりさんのオーラソーマ】:「成る」というゲームを、
どうぞお楽しみください。

今日も楽しく遊びましょう。

すてきな一日をお過ごしください。
Have a nice day!

                           尚 記


       ………○…………○…………○………


ときどき、幕あいに顔を出す、「オーラソーマ」をちょっと部外者
的な立場から眺めてみる【ぱりさん】シリーズです。^^;

オーラソーマのカラーローズを“全人間心理のカラーインデックス”
に見立てて、その内部的なダイナミクスを連想して楽しんでいます。

ちょっと理屈っぽいですが、常識だけでおつきあいいただければ、
案外、おもしろがっていただけるかもしれません。

「カラーローズ」は人間心理のパノラマです。
http://www.aura-soma.co.jp/intro/color_language/

この図は、個性と多様性というものが現れることができるための、
とても厳密な心理的元型を提供しています。

この図があれば、どの願い(欲望)がどの願い(欲望)の対極なの
か、それぞれ位置関係がどうなっているかがよくわかります。

理解できるだけでなく、その構造の必然性が納得できるのです。

その位置関係は恣意的なものではありません。

それは物理次元では動かしがたい相対関係にあって、プリズムによ
る分光現象として確認されています。

ただ「カラーローズ」は、それぞれの色が人間心理を表し、全体で
人間心理の曼荼羅として解釈しているのでしたね。

そこでは、すべての色が固有の位置(つまり願い・欲望)を定義し
ているだけでなく、他の心理との相対関係も定義しています。

すべてが相互に支えあっているので、人間の心理世界はとても堅牢
で、確固として存在しているように見えます。

人間ドラマの世界、心理劇の舞台は、とても緻密で堅固に、客観的
に存在しているように感じられるのです。

この世界に入ってきた赤ん坊は、はじめはゲームの規則がどうなっ
ているのかを、まったく理解していません。

とはいえ、将来人間ゲームをプレイするうえで、使いこなせるかも
しれない膨大な装備を与えられてもいます。

肉体とは物理次元の宇宙を体験(創造)するための道具ですから、
宇宙の壮麗はすべてここに集約されているとも言えます。

と同時に、それはあなたを閉じ込めるための“器”の役割もこなす
かもしれません。

たとえば、あなたはこの日本という国に生まれてきたので、自分を
日本人だと思っているでしょう。

でも、もしお隣の韓国に生まれたら韓国人だったし、アメリカに生
まれたらアメリカ人だったことは、簡単に想像できますよね。

もしそうなっていたら、あなたは韓国人やアメリカ人の価値観を持
って、韓国人やアメリカ人として振る舞っていたことでしょう。

つまり、両親から引き継いだDNAなどは、あなたが人間ゲームに
参入するうえでの、いわばIDカードであることはわかりますよね。

こういう言い方を、不謹慎に感じて、とても嫌う方もいます。

それもご当人が引き受けた(あるいは課された)条件です。

つまり、ほかにどうしようもないのです。(*^_^*)

そしてその条件づけに真面目であればあるほど、こだわればこだわ
るほど、そのゲームはじゃっかん重たいものになります。

現象世界には、いろいろなことが起こります。

世界にはじつに多種多様な価値観を持った人々がいて、それぞれの
事象に多種多様な判断をくだしています。

たとえば、何かひどい事件や災害が起こったとします。

すると、「こんなことは二度とあってはならない」といった言葉が
聞かれます。

もちろん、「こんなことは二度とあってはならない」でしょう。

とはいえ、同時に誰もが、そんなことがこれまで数えられないほど
繰り返されてきたことも、よく知っているのです。

これが、人間ゲームなのです。(*^_^*)

痛烈に、悲しむこともできます。

すると、痛烈に悲しいことが、起こったことになります。

極端に嫌な思いを味わうこともあります。

すると、極端に嫌なことが起こったことになります。

これは、そういうゲームなのです。

このゲームに入ってきた方々は、誰もが真面目に、この劇のなかで、
自分が引き受けた(自分に課された)役を演じています。

すると、必ず、ほかの方の演技に対する、自分なりの感想が湧き起
こります。

これは、そういうゲームなのですから。

自分という全体から分離した存在が、他人というほかの分離した存
在たちに取り囲まれている、と信じることではじまるゲームです。

赤ん坊のときには、まだゲームの規則がわかっていませんでした。

それでも、「成る」というゲームに憧れるから、すべては、はじま
っているわけです。

ところで、「成る」というゲームをプレイするには、たくさんの
決め事や、たくさんの構造を受け容れる必要があります。

「カラーローズ」には、“何か”に「成る」というゲームを成り立
たせるための、すべての心理構造が展開されています。

そこでは、すべての心理が、ほかのすべての心理と相互に定義しあ
っています。

そして、それぞれの心理位置は、他の心理があるという前提のうえ
で、つまり他の心理の存在に依存して存在しているのです。

なぜなら、個々の心理位置は、それ自体で自前で存在すること、つ
まり対極なしに存在することはできないからです。

劣等感なしに、優越感がありえると思いますか?

現象世界の基底には「二元性原理]という根本原理があります。

対極間を振動せずにはどんな現象も顕現できない、という原理です。

あなたは、その基本原理を受け容れることを条件に、この現象世界、
つまり人間心理のゲームを演じることを許されています。

もちろん、許した誰かがいるわけではありません。

ただ、あなたが自分にその条件を課しただけです。

ところが、この何かに「成る」というゲームに耽溺すると、そのゲ
ームの規則を課しているのが誰かを忘れることもありえます。

するとたちまち、何かに「成る」というゲームは、脱出不能の牢獄
のようにも思われてきます。

それはまるで悪夢のように、もがけばもがくほど、重苦しく覆いか
ぶさる厳格な拘束のようにも見えてくるからです。

何かに「成る」というゲームのおもしろさは、その“何か”にあり
ます。

だから、何かに「成る」ゲームの恐ろしさも、その“何か”です。

“何か”とは、現象世界のなかの何か、つまり相対位置のことです。

“輝かしい栄光”がありえるためには“暗澹たる悲惨”が必要です。

“成功”があるためには、“失敗”がなくてはなりません。

つまり、“善人”に「成る」とは“悪人”を創造することなのです。

“美しいもの”を創造するとは、“醜いもの”を定義することです。

“醜いもの”を定義せずに、“美しいもの”は創造できません。

その両極を同時に見れば、人間ゲームの土台がほころびはじめます。

虹の七色が、プリズムで分光した白色光線であるのは、よくご存知
ですよね。

「カラーローズ」内のすべての色は、白色光線が演じているひとつ
の表現、じつは白色光線そのものです。

われわれ人間は、飽くことなく、“何か”に「成る」ゲームに耽溺
してきました。

でも、あまりに長くこのゲームをしてきたので、本当は自分がなん
なのかを、忘れたということはありえることです。

あなたが“何か”に「成る」ためには、その前にまず、そのあなた
がいなければなりません。

“何か”に「成る」には、そのあなたが「在る」必要があります。

そして、この「在る」は、じつはあなたが努力して獲得できるよう
なものではないのです。(^_-)

あなたは、どんなに努力しても、その「在る」には成れません。

なぜなら、もともとあなたがその「在る」だからです。(*^_^*)

あなたは気づいています。

あなたは自分が存在していることを知っています。

自分の存在を、ほかの誰にも保証してもらう必要はありません。

ところで、あなたはいま気づいていますね?

もし、眼が見える方なら、目を開ければまわりに光景があります。

耳の聞こえる方なら、まわりの音も聞こえます。

そして、その中心に自分の身体があるようにも思えます。

でも、あなたは人間をやって長いので、もしかしたら、その身体が
まわりに気づいていると思っているかもしれませんね。(^_-)

でも、それは勘違いです。

あなたの身体も“まわり”の一部です。

途方もなく優秀なバイオコンピュータではあるでしょうが、でも、
それも、あなたが気づいている対象物のひとつです。

それは、あなた本人ではありません。

あなたは、対象物には成れない方だからです。

あなたは、気づいている本人なんです。

その気づいている本人が、存在している本人です。

つまり、目のうしろから覗いている【あなた】です。

「在る」です。

そのあなたは“何”にも成れません。

そのあなたが、“何か”に「成る」ゲームをしているのです。

あなたが気づきの対象を、過去の記憶と、未来への想像のなかで、
“何か”になる物語を今紡いでいるのです。

現象世界はあなたの想像のなかにある、と言ってもいい。

「カラーローズ」には、そのあなたがもろに露出している場所があ
ります。

そうです、「カラーローズ」の中心点です。

それはあなたの「気づき」、あなたの「存在」を象徴する点です。

なぜ露出しているかというと、それが「何」にも成っていない点だ
からです。

でも、「存在」が【露出している】のが中心点というだけです。

じつは、「カラーローズ」のすべての位置は、「存在」によって
“裏打ち”されています。

「存在」によって“裏打ち”されなければ、どんな色もありえない
(現象できない)からです。

どんな心理位置も、どんな欲望も、どんな拘束も、気づかれずに、
それだけで単独で現象することはできません。

つまり、全現象はあなたが気づいているから存在できるのです。

そして、あなたが価値を認めるから、重要になっているのです。

全世界は、あなたの許可を得て、現象しています。

あなたは自分で許可して、自分で作った世界に囚われています。

もし、今現在、あなたがつらい思いをしているなら、あなたを攻撃
しているのは、あなたの思い込みです。

あなたの心を揺さぶっているのは、あなたの価値観です。

世界は、あなたの観念のなかにしかないからです。

今日は変な話を聞いたなぁ、と思われるかもしれませんね。

気にしないで、すべて忘れてくださいね。

たまに、こんな変わった話を聞くのもまたいいものです。

もし息抜きにしてもらえたら、こんな嬉しいことはありません。

ほんとうに、この「カラーローズ」で展開される“人間心理”の世
界って、いったいどこに向かっているんでしょうね。

(*^_^*)

『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこ
へ行くのか』( http://p.tl/0WWA )。(-_-)

実際、この旅はどこへ向かっているのでしょう。^^;;

次に機会があったら、また「カラーローズ」を別の視点から眺めて、
勝手な連想を楽しませていただくかもしれません。

いつもお断りしているとおり、これは「オーラソーマ」で認定され
た見解ではありません。

「オーラソーマ」が、ゲーテの色彩論から引き継いだ「カラーロー
ズ」というすばらしいツールに触発された、まったく自由な立場か
らの連想です。

おつきあいいただき、ありがとうございました。<(_ _)>

                          pari 記


       ………○…………○…………○………

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