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巻頭エッセイ


第418号 鮎沢玲子さん(8)「日本の色」:夏虫色

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■ 1.巻頭エッセイ:鮎沢玲子さんの「日本の色」Vol.8
               ≪【夏 虫 色】なつむしいろ≫ (2012,07/04)
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鎌倉は紫陽花でにぎわっています。

紫陽花といえば青や紫、青紫を思い浮かべたものですが、最近はさ
まざまな色の紫陽花を見かけます。

とりわけ長谷寺などは、さまざまな色の紫陽花で有名だそうで、2
時間待ちのこともあるとか。

長谷寺に近い由比ケ浜近辺でも、ふだんはあまり人がいないレスト
ランもにぎわい、人気のレストランなどは長蛇の列。

昼には、レストランに入れなかった人から「どこかこのあたりに食
べれるところはありませんか?」と聞かれるほどです。

とはいえ、7月に入りもう海開き。

トンボが飛んでいたり、遠くに蝉の声が聞こえたり、いよいよ夏の
季節です。

夏の虫というと蝉や蛍、夜に灯火に寄ってくる虫なども夏虫という
そうで、山を登っているときに森林の木陰に涼みながら林に響く蝉
の声を聞いて涼しげに感じたり、夕涼みの時間になると光る蛍の放
つ光の点滅などを見て涼しさを感じる、ということが子どもの頃の
記憶としてあります。

夏虫色とは、どのような色だろうと思って調べてみると、こんな色
でした。
http://kotobank.jp/word/0.000000E+005%A40.0000000.000000E+008 %AB

この色で思いだすのはキリギリスの羽の色。

昔、私が住んでいた辺りは、あちこちの空き地に草がはえ、キリギ
リスが鳴き声を競っていました。キリギリスを捕まえて、かごに入
れてスイカを入れて飼う、というのは子どもの夏の行事のようなも
のでした。

あの暑い夏の日中に、汗だくになりながら草むらを探しまわって、
やっとつかまえたキリギリスをかごに入れ、スイカでのどを潤した
あと、その食べ残しの切れ端をキリギリスに与えると、しばらくす
ると少し赤みの残ったスイカの上で鳴きはじめます。
その声を聞くと子ども心に涼しさと満足感を覚えたものです。

今の都会はアスファルトとビルに覆われ、そのような夏の虫を日常
に見ることも少なくなってしまいました。

ビルとアスファルトのなかに夏虫の色を見ることもなければ、その
鳴き声や涼しげな蛍の光を見ることもありません。

豊かさを追い求めて、経済的には世界の国に比べれば豊かになりま
したが、豊かな自然を失うとともに、それらを感じる感受性をも失
いつつあるのかもしれません。

夏虫色は、オーラソーマでいえば53番のヒラリオンに近い色です。
http://www.aura-soma.co.jp/products/equi/B053.html

ヒラリオンが夏虫色ということになれば、ヒラリオンを飾って夏虫
色を思いだすと、昔の日本人が感じた夏の色やその感受性がよみが
えってきそうです。

それでは、鮎沢玲子さんの「日本の色」Vol.8≪【夏 虫 色】な
つむしいろ≫ をお楽しみください。

                           尚 記


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日本では、夏になるとたくさんの虫が出てきますね。

蚊や蠅といった虫に出会うのは嫌ですが、バッタや蟷螂(カマキリ)
、蝉(セミ)や蜻蛉(トンボ)など、夏にしか出会えない種類の虫
を見ると、季節を感じて少し嬉しい気がします。


古い時代の色名で、「夏虫色」というのがあります。

色調は薄い緑色で、一説によると青蛾や馬追虫の羽の色からついた
名前だということです。言われてみれば、バッタなど夏に見かける
虫の羽は、こんなふうにキレイな薄緑色をしています。

昔の人は、夏虫の羽の色さえはかなく美しいものとしてとらえてい
たのでしょうか。素晴らしい感性です。
すぐに殺虫剤などを持ちだしてしまう現代の私たちは、少し見習わ
ねばなりません。


清少納言は「枕草子」のなかで、「指貫(さしぬき)はむらさきの
濃き、萌葱、夏は二藍(ふたあい)、いと暑きころ、夏虫の色した
るも涼しげなり」と書いています。
つまり、夏の暑い盛りには夏虫色が涼しく見えて良い、と推奨して
います。

冷房装置など無かったぶん、色彩が与える温度の感覚をきっと大切
にしていたのでしょう。夏にはなるべく涼しく見える色を着る・・・
さしずめこれは「平安時代のクールビズ」です。


ところで、西洋の絵画に描かれている「天使」の翼は鳥の羽のよう
な形状ですが、「妖精」の背中には、たいてい蜻蛉や蝶のような虫
の羽がついています。
生い茂った夏の木々の間を飛び回る妖精たちの羽は、きっと透き通
った薄緑色をしているような気がします。

「夏虫色」のペールグリーンは、オーラソーマの色名で言えば、
「ペールグリーン」。
53番のボトル「ヒラリオン」の色ですね。
「ヒラリオン」は地球の環境を守るアセンデッドマスターであり、
私たち人間が自然と共存する叡智を持つことをサポートする存在で
す。

妖精の羽の色がこの色をしているとすれば、それはマスター「ヒラ
リオン」に守られている「しるし」かもしれません。

もしもこの夏、森で妖精に出会ったら、羽の色を確かめてみようと
思います。


(※こちらで画像付きで掲載をしています。
 http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-11293898399.html


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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール

有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。

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