ヴィッキーさん物語第9号 ヴィッキーさん物語 その9━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 2.ヴィッキーさん物語——その9:「5 薬屋」より ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こういうのを読むと、自分もそのクリームつけたくなっちゃいますよね。 でも、これ、まだ日本には輸入されてません。 では、ぱりさんからです・・・ ヴィッキーさんが作成調合した新種の“美容クリーム”は、いろいろな薬効を 示すことがわかり、その薬屋さんの周辺で着実にファンを拡げてゆきます。 そして薬局の主人のホースレーさんとヴィッキーさんの立場が逆転していくの です……。 では、「ヴィッキーさん物語」の9回目です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ それから少しずつ反応が返ってきたのですが、化粧品としてこのクリームを買 っていったある人は、医者にかかっても治らなかった湿疹がよくなってきたと、 うれしそうに報告してくれました。 今日に至るまで、小さな奇跡が繰り返し起こり、このクリームは、後の私のク リニックでも引き続き使われてきました。 今では、美容クリームとしても非常にすぐれているだけではなく、乾癬や湿疹 といった肌のトラブルの薬としても、広く知られています。 驚いたことに、保存料を入れなくても新鮮さが保たれるのですが、これについ て、科学的な説明はできません。 そしてこれは、のちの多くのひらめきに満ちた発明の始まりでした。 それはあえて言うならば、常識を超えた知識の源から来たものなのです。 そして徐々に、不思議なことが起こり始めました。 ホースレーと私の役割が、交替し始めたのです。 今や彼は、何も教えようとせず、見入られたように私の手元を見つめ、その手 順を学び取ろうとしているかのようでした。 少しずつ、薬の調合はドリスが担当するようになり、私はますますクリームや ローションづくりに没頭するようになり、たくさんの人の称賛を得るようにな っていったのです。 そして残念ながらエドワード・ホースレーが遠くへと旅立つ日がやってきまし た。 私は彼を胸に抱き、いまわの際までともに行きました。 彼は安らかに、そして威厳をもって去っていきました。 後に残されたドリスと私が、それはそれは寂しく感じたのは言うまでもないで しょう。 …… さて、遺品の整理が終わると、次は薬局をどうするかでした。 薬事法によれば(現在でもなおそうですが)、ちゃんとした資格を持った薬剤 師がいなければ、店内で調剤するのは違法だったのです。 ドリスと私はあくまでも店内調剤者であり、いくらドリスが薬局組合のメンバ ーで、二十年以上薬を調合しているといっても、法律によれば、壁にかける薬 剤師の免許がなければ、店は続けられません。 これは、資格を持たない家族を残して薬剤師が死んだ場合、常に問題となるこ とです。 そういった場合、現実の打開策として薬剤師が雇い入れられることになってお り、たいていは、退職してぶらぶらしている老人に白羽の矢が立ちました。 そして現れたのが、A氏です。 彼はかなり年配のひょうきんな人物で、賭け事に目がなく、この世のあらゆる 歓楽地を巡ってきた人で、調剤室のすみで思いがけず彼を見かけると、たいて いは新聞の競馬欄をにらんで、一心不乱に次のレースの予想をしていました。 なんと愛しのホースレーの、なじみのそのスツールの上でです。 A氏の仕事は、それほどやっかいではありませんでした。 ドリスが全体の見通しをつけ、主に必要な商品のチェックや確認といったこと だけを、彼に頼んだからです。 在庫の整理は彼の仕事となり、おかげで私たちは毎週のこまごまとした骨の折 れる仕事から解放されました。 ありがたいことに、ただ期限の来た請求書の支払いをするだけでよくなったの です。 ヴィッキー・ウォール著『オーラソーマ』「5 薬屋」より ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 尚、このコーナーのコンテンツは、出版社、翻訳者のご了解を得て 『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(伊藤アジータ訳、OEJ刊)より 掲載させていただいています。 和尚エンタープライズジャパンのHP: http://www.kt.rim.or.jp/~oshobook/ 伊藤アジータさんのHP: http://www5e.biglobe.ne.jp/~dhyan2/index2.htm |
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