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ヴィッキーさん物語


第7号 ヴィッキーさん物語 その7

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■ 2.ヴィッキーさん物語——その7:「4 あなたは誰?」より
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私は誰? ここはどこ? 

ヴィッキーさん、通りがかりの人から、
「あなたは霊能者ね」って言われてしまいます。

子供のころから、そういうふうに生まれ育っているのですね。
それが7番目の子供の宿命なのでしょうかね。

しかし、私は誰? っていう問いは、もっと深い問いかけなのです。


では、ぱりさんからです・・・

どれほど辛いことがあったのかヴィッキーさんは、くどくどとは語りません。

ただ、16歳という若さで家を飛び出すのですから、尋常な状況ではなかったの
でしょう。ところがヴィッキーさんの霊能力が介在して、急転直下で新たな転
回が始まります。

特別の霊能もない普通の人間からすれば、他の人の過去や未来のことが分かっ
たりする能力は、何か素晴らしいことのような気もしますが、実際の霊能者で
あるヴィッキーさんの言葉を聞くと、どうもそんな気楽なものではないようで
すね。(^^;)

まるで、シャーロック・ホームズの物語の一場面に入ってしまったかのような
ヴィッキーさんの回想を垣間見てみましょう。

では、「ヴィッキーさん物語」の7回目です。


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4 あなたは誰?

継母との運命的なぶつかり合いのあと、状況は悪化の一途をたどりました。
私は今や、兄や姉と同じ立場に置かれたわけですが、そこには違いがありまし
た。
彼女にしてみれば、彼らは最初からよその子同然だったのに対し、私の状況は
もっと深刻だったのです。
何しろ、本当の母親を演じていたつもりだったのが、突然くつがえされたので
すから。
彼女の愛は、打って変わってどす黒い憎悪となり、それは年を追って激しさを
増し、とうとう暴力にまで及ぶようになっていきました。

そのパターンはえんえんと続き、耐えられる限度を超えるようになり、それで
私はとうとう、十六歳のとき、ほとんど着のみ着のままで、家を出ることにし
たのです。

そんなある日のこと、かすかに秋の気配のする、暖かくてよく晴れた日で、辺
りの木々や木の葉が、もやの中できらめいていました。
私は公園のベンチに座り、そよ風に酔い、自然の中に溶け込む幸せを味わい、
すっかり自分の世界にひたり切っていたのですが、ふいに、すぐ近くで声がし
ました。

「ここに座ってもいいかしら」

その人は、だいたい四十ぐらいの少しやつれた感じの女の人でした。
正直なところ、私はあまり邪魔をされたくない気分だったのですが、それでも、
とりあえずとおりいっぺんのあいさつをすると、彼女は身を乗り出し、私の顔
をじっと見つめ、突然こう言ったのです。

「あなた、霊能者ね」

私はぎょっとして、彼女の顔を見つめ返しました。
父と私は、やっかいなレッテルなしに、ありのままの自分たちを受け入れてい
ました。
私たちに与えられたものは、招きもせず乞いもせず、自然に来たものなのです。
私は生まれて始めて、ある疑問にぶつかりました。

「あなたは誰。いったい何者なの?」

私の一部は脅威を感じ、すぐにでも逃げ出そうとしていましたが、私は何とか
必死で考えをまとめようとしました。
なにせその人は、私の顔を食い入るように見つめたままなのです。
けれども、ほとんど子供とも言える他人を相手に、さすがに唐突すぎたと思っ
たのでしょう、それからこうつけ加えました。

「私の家はその通りの向こうなの。お茶とケーキでもいかが」

どうやら、悪魔の誘惑がケーキとお茶に姿を変えて現れるのが、私の人生のパ
ターンのようです。
驚くような出来事の前には、かならずフルーツケーキが姿を現して、十代の食
べざかりの私を抵抗できなくするのでした。
お茶は熱くて香りもすばらしく、ケーキも期待通りでした。
すっかりくつろいだ私が、そろそろ帰ろうかと腰を上げかけたとき、

「助けてちょうだい」と、出し抜けに彼女が言ったのです。
「あなたなら、きっとできるわ。実は私はとても不幸で、とても困ってるの」

私は、がんと殴られたようなショックを受け、膝の力が抜けそうになりました。
けれども自分でも驚いたことに、思いがけない言葉が口をついて出てきたので
す。

「それは、あなたが間違ったことをしているからです。あなたは誰か若い人と
つき合っていますね、誰か家族とつながりのある。それは正しくありません。
そこからは、よいことは生まれません」

そう言いながらも、できることなら、言葉を呑み込んでしまいたいと思ってい
ました。
いったい何が取りついたというのでしょう。
が、彼女は目をうるませ、
「その通りよ」と、答えました。

「私の息子のお友達なの。彼はここに住んでるんだけど、息子はそれを嫌がっ
 て、家を出たがってるわ。私は二人の間で引き裂かれてて、自分じゃどうす
 ることもできないのよ」

「何もしなくても、それは壊れます」

それだけ言うと、私は椅子から立ち上がり、礼儀正しい足取りでドアへと向か
いました。
しかし、内心はびくびくもの、冷汗ものだったのです。
と、そのとき、ドアがバアンと開き、そこに頑丈な大男が仁王立ちになってい
ました。

ヴィッキー・ウォール著『オーラソーマ』「4 あなたは誰?」より
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尚、このコーナーのコンテンツは、出版社、翻訳者のご了解を得て
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(伊藤アジータ訳、OEJ刊)より
掲載させていただいています。

和尚エンタープライズジャパンのHP:
http://www.kt.rim.or.jp/~oshobook/

伊藤アジータさんのHP:
http://www5e.biglobe.ne.jp/~dhyan2/index2.htm


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