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『リビング・エナジー』から

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004_アクエリアス時代の……



地母神信仰


 
 
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■ 2.『リビング・エナジー』から :「クリスタルエイジのオーラソーマ」より
   地母神信仰         by 青山 マリア いく子
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地母神信仰

錬金術的勝利を収めた白マリアの前身となった黒マリアこそ“隠された愛”の
対象でした。
黒マリアとは奇跡的治癒力を持つ聖母子像です。
西ヨーロッパに存在し、古いものは10 世紀以前にも遡ると言われます。

伝説によると、火山地帯の山岳地方で発見され、岩山の頂や洞窟、深い森の大
木の洞、泉のほとりに奉られ、異端の隠された対象となっていました。
聖母に似つかわしくない黒い色の起源は、聖杯伝説によるものか、あるいは古
代東方の黒い霊石信仰が擬人化した女神の偶像に由来するという説があります。
事実、キュベレ、アルテミス、ディアナなど生命の支配者である東方起源の地
母神たちの元の姿は黒であったし、エジプトの女神イシスもしばしば黒で表現
されたと言われます。

地母神は、穀物の豊穣、多産、病気の治癒や善き死を祈り、生とともに地下の
国への導きが平安であるよう祈られました。
黒い色は母なる大地の色であり、生命が生みだされ、帰っていく死の世界の色
――ここに“聖なる黒”の深い癒しがあり、信仰の拠り所とされました。

正統的キリスト教の教義が女性を追放し、異教の地母神信仰や、偶像崇拝を禁
じました。
それゆえ黒マリアは、母性的なものにすがりたがる庶民や、奇跡や魔術を信じ
るものによって敬愛され、自然の懐に隠されて秘かに生き延びたのです。

キリスト教が偶像崇拝を禁じたのは、父権的教義の正当化のみならず、偶像が
持つ魔力を信じ、恐れたからこそ禁固したのです。

「われわれの祖先は神々を作る術を発明した。彼らはこうして作りだしたもの
 に、自然の物質の中から取りだして調合した効能を加えて混ぜ合わせたが、
 魂を作ることはできなかったので、ダイモーンあるいは天使の霊を呼び降ろ
 し、神聖なる秘儀を行って、それらを彼らの像の中に導き入れたのである。
 こうしてこれらの像は、善や悪を行う力を持つにいたったのだ」
                  ヘルメス・トリスメギストス「アスクレピオス」より 

                『リビング・エナジー』Vol.6(p18-19)